2017年の新譜もレビューをしていこうと思います。
今回レビューする作品は「ent」の3枚目のアルバム「ELEMENT」
以前、2枚目のアルバム「Entish」をレビューした時にも書いたのですが、「ent」はロックバンド「ストレイテナー」のホリエアツシ氏によるソロプロジェクトです。
ELEMENT
今作「ELEMENT」は1曲目の「How To Fly」から前作「Entish」とは違い、空虚感や廃墟感というものを感じさせない、鮮やかな色が付いた、というように感じます。
2曲目の「悲しみが生まれた場所」はスローテンポな哀愁漂う曲となっており、個人的なツボを非常に押さえていて、とても好きですね。
3曲目の「Autumn Nightmare」ではエレクトロニカ成分など感じず、物凄くポップな感じになっています。本当にオシャレな曲だな、と思わざるを得ない。
前作との違いを感じる
そして、この辺りで少し気付いた事があります。聞いた人もおそらく感じるだろうと思うのですが、前作までのようなエレクトロニカ成分が多めの作品ではなく、どちらかというと隠し味的な使われ方をしているみたいな。
実際通して聞いてみるとそういう訳ではないのですが、ポップな曲が非常に目立つように感じてしまい、暗めというか前作のような空気感の曲が消えてしまっているように思えて仕方がない。
前作「Entish」を好きな人には、今作「ELEMENT」は好みに合わない可能性があります。曲が好みではないという訳でなく、雰囲気というかアルバム全体の空気感の違いによって。
おそらくアルバムタイトルであると思われる「素子-Soshi-」(「ELEMENT」の日本語訳)ですが、この曲と次の曲「Sunset Moonrise」は前作「Entish」の流れを持ったエレクトロニカ成分が多い曲です。
クオリティも非常に高く曲調も好みなのですが、いきなり場違いな曲が出て来たというように感じてしまいます。1曲1曲の質も高く好みなのですが、何故かアルバムを通して聞くと疲れるという、個人的には曲順を変更して聞く必要があるかもしれません。
まとめ
前作「Entish」に色を加え、より鮮やかなところは鮮やかに、空虚感のようなものを見せるところは見せる、より洗練された、確実に進化した作品となっています。
ただ、8曲目の「Imagine」の位置が個人的には絶望的に合わず、曲順を変更しないといけませんでした。
今までがこうだった、だから次もそのままの路線でいて欲しい!!とは思わないのですが、流れというか収録順がアーティストの意図した物と自分とでは合わなかっただけ、という事もあるのだなと久しぶりに感じる事になりました。
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