今日はトランス系のアーティストをレビューしたいと思います。
「John Askew」の「Z List Uber Star」、2008年のアルバムになります。
ジャンルとしてトランス系と言ったのは、もはや色んなジャンルが混ざり合い、さらには多少の違いで色んな呼ばれ方をするので、正直これといった言い方をするのが難しいと個人的には思うのです。
テックトランスを中心としながらUKハードハウス成分もあり、なおかつハンズアップ的な局面も持ちつつプログレッシブな音を使いユーフォリックな一面も見せるとか、書いていても面倒くさいのでトランス系、とします。
作品の方向性
この「John Askew」に限らず、トランス系アーティストのアルバム全般に言える事だと思いますが、アルバム全体を通して一つの作品という志向が非常に強く、曲と曲が繋がっている事があります。
もちろん全てのトランス系アーティストがそうではありませんが、今作「Z List Uber Star」は1曲聞いて、ここで終わり、というのがありません。最後の曲が終わるまで音が途切れる事がないので、ある意味自分の作品だけで作られたDJ Mix的な要素も含まれています。
なので、曲順・展開といった曲だけに対する評価以外も重要なポイントだろうと、個人的には思っています。
Z List Uber Star
今回レビューする「Z List Uber Star」は、全体を通して聞き終わった後の感想は、まさにクラブ等でのDJプレイを意識した作品だなという一言に尽きます。
序盤4曲目までは綺麗な音多めで盛り上げる訳ではなく、場を温めるような曲調で進んでいきます。ボーカル曲もあり、非常に聞きやすい展開。
しかし、4曲目から5曲目への移行で大きくドラム周りのアグレッシブさが増し、上で鳴っている音は綺麗なままも足回りで次からの激しさを予測できる展開に。
6・7曲目で盛り上がるトランス曲から少しずつ移行していき、8~10曲目で派手なシンセなどないテクノかと思わせるような硬派な展開になっていきます。
11曲目でアルバムタイトル曲である「Z List Uber Star」になり、硬派なトラックにそこそこシンセも重なり、これでもかとTB-303よろしくアシッドな音てんこ盛り状態に。
その流れを引き継ぎ12曲目でそこそこシンセも使う展開から、ラストの13・14曲目で派手目なシンセ多様ドライブ感を増した曲で締める、という最後のラッシュで終わります。
シンセの音よりも足回り、リズム感・現場感・ライブ感のような物を重視した作品というように俺の耳には聞こえました。というよりも「John Askew」が自分の作品だけで構成したDJのセットリスト、と言った方がいいかもしれないです。
EDMが世間で流行している今こそ、こういった作品も一度聞いてみる事をオススメします。
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